浪人生、高校生のあなたに!!


 国立大学の初年度納入金が82万円、私立大学は120〜170万円、私立医学部は350〜1400万円、さすがに私大医学部は値下げの傾向にあり、良心的な順天堂大学などは半額以下、それでも393万円。この経済不況の中で、それでも我が子の教育のためにはと親御さんの願いが熱く伝わってきます。2008年度から東大では親の年収が400万以下の生徒には授業料全額免除という制度を取り入れましたが、東大生の家庭の51%が年収950万以上で450万未満が14%です。そのことを考えると、その恩恵をうけることができるのは10%未満であることが十分予想されます。

  さいたま市は政令指定都市の中で、大学進学率トップ3の59.8%です。国立大学が法人化されて以降、家計に占める教育費の割合は著しく高くなっているのが現実です。30年前は国立大学と私立大学の学費は1:10であったのが格差是正という名の下に現在は2:3の割合にまで伯仲しています。格差是正の意味を取り違えているとしか考えられません。

 本来、大学はヨーロッパをはじめ無料化を目指している国が多くなっているのに、日本では憲法で保障されている教育を受ける権利、学問の自由が極めて個人的努力(家族の協力)の上にかろうじて成り立っているように思います。ゆとり教育が言われて久しいですが、センター試験の内容を見ると基本問題が中心ではありますが、問題量が多く、時間不足に悩む受験生が多いと思います。問題を深く掘り下げ、考察をするということとは逆行して問題の処理能力をいかに高めるかという面が強く出ているように思われます。

 わたしは数学を指導しておりますが、今年のセンター数学UBのベクトルの問題は、問題の流れが不自然で受験生のパニック状態が目に浮かぶようです。空間図形を丁寧に書けばわかりますが,概念でとらえようとすると何を言っているのかわからない全く教育的配慮の欠けた問題であると言わざるを得ません。マークシート形式の限界でしょう。とはいえ、私立大学の70%を超える大学がセンター試験を利用している現実を考えるとキチンと対策を講じなければなりません。以下に『学ぶ視点』として大切と思うことを挙げたいと思います。