〜微視的世界の物理学〜     

 地殻に含まれる放射性元素は主として超新星の爆発の際につくられて宇宙にばらまかれたもので、地殻の中には地球の誕生以来ずっと存在していたと考えられます。たとえばUの半減期は極めて長く、約45億年なので、大量の放射性元素のウランが崩壊せずに残っています。Uは様々な崩壊をして最終的にPbになります。そこで、天然ウラン鉱に含まれている鉛の同位元素Pbと純粋のウラン元素Uの割合を測定すると、地球の年齢が約46億年と推定できる訳です。天然ウランには0.7%の割合でUが含まれていて、それを濃縮して35%にしたものが原子炉で使用する核燃料で、90%以上に濃縮して連鎖反応を起こさせるのが原爆です。広島に落とされた原爆(リトルボーイ…U)は濃縮されたU64sのうち1sのUが核分裂して、そのうち0.68gの質量が欠損してE=mc(m質量欠損、c光速 アインシュタインの関係) のエネルギーを10万分の1秒で放出し、64sの放射性物質を同時にまき散らして、大きな被害をもたらしたのです。
 [核分裂反応の代表的な1つ]
それに対して原発では、3〜5%の濃縮されたU1sを8時間かけて核分裂させて100万kWの電力を供給します。


原発に用いる燃料棒は、ペレットという直径1p、長さ1pのU(3%〜5)をジルコニウム(厚さ2o)の円筒(長さ4m)に封じ、それを約200本束ねたものが、1ユニットで、1つの原子炉では120193ユニットあるので、Uの比重が19であることを考えると、その総重量は [s]
すなわち、原爆の2800発分のエネルギーと放射能をもっていることになります。さらに、使用済核燃料が同量にあるとすれば、その2倍として5600発分、1号機から3号機が同量で、4号機の使用済核燃料を合わせると合計19600発分になります。もちろんこれは、ウランの総重量からのみ計算したもので、あくまで概算に過ぎません。世界が、日本の福島に注目している理由は、そこにあると思います。ですから、この事故を収束することが出来なければ、人類史上最悪の事態になる可能性があるのです。何としても人類の英知を結集してこれを収束させなければなりません。日本の総電力供給の30%以上(世界では14)を原子力発電に依存している現在、もう一度、その安全性と、エネルギー開発を考える必要があると思います。私は原発反対論者ではありません。将来的にはむしろ賛成です。しかしながら、その放射性廃棄物の処理技術に多くの問題を抱えているので、原発利用は時期尚早であると思います。東北電力管内の福島や新潟に東京電力の原発があるのは不自然でかつ、失礼な話です。東京湾に堂々と原発が建設されれば、そのときこそ安全性が確立されたと考えられると思います。 [ウラン238に中性子をぶつけるとプルトニウムができる]


 浪人生、高校生の皆さん!!何が正しいのか、真実であるのかを知る機会が大切です。そして、私たちは大学受験のプロ集団として、『学問をすることの楽しさ』と『豊かさ』を伝え、自己実現の1つの場としての『大学受験』を心から応援したい気持ちでいっぱいです。またその一助になれば幸いです。今後、論理的にものを考える習慣と、努力の継続をもってすれば、どんな困難があっても、それを乗り越えることが出来ると思います。豊かな人類の未来のために!夢は宇宙を駆け巡る!!